囀る鳥は羽ばたかない 2巻4話(ネタバレ・感想・考察)

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1巻の振り返り

男だらけの世界にもかかわらず、どこか色香漂う「囀る」ですが、
やはり矢代の存在が際立っているなぁと思います。
こんな化け物キャラを作り上げてしまったヨネダコウ先生に、
もはや足を向けて眠れません………m(_ _)m

さて、1巻では矢代と百目鬼の出会いに始まり、百目鬼のインポの原因が判明するなどのイベントがありました。
特に百目鬼と妹の関係修復時に見せた、矢代の優しさ。
これに気づいてしまった百目鬼は
「外見的に綺麗な人」だった印象から、「心も綺麗な人」という認識に変わりましたね。
矢代に対し「惹かれる」という表現を使って、あなたの元に置いてくださいと切願するまでになりました。
一方で矢代の方は、百目鬼を可愛いと思いつつも
ヤクザの世界から足を洗わせたいという思いが。
2人の心の置き所が異なる点が、物語を複雑に進めていくのだと予想できる・・という1巻でした。

てことで2巻も堪能たせていただきましょう。

等記事は、あらすじ含むネタバレ有りの感想・考察ブログです。
単行本をまだお読みでない方は、お気をつけください。


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2巻背表紙:あらすじ

真誠会若頭で真誠会興業の社長である矢代は、
ドMで変態、そして淫乱だ。
元警察官で付き人兼用心棒の百目鬼は、
矢代を綺麗と言ってはばからず、
心酔している。
だが、矢代が昔から思いを寄せる影山と、
その恋人久我の存在を知ると
次第に百目鬼の矢代への想いも変化し、
それを自覚していく。
そんなとき、矢代が何者かに狙われる。

囀る鳥は羽ばたかない2巻背表紙より
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4話の考察について

カラーページで始まる2巻。
百目鬼が警察官の格好をして、矢代に弄ばれてます。
(わかりずらいですが、矢代は百目鬼の股間を足で弄んでいるんですね。ドラマCDでそういうセリフが挟まれていたので、私も気づけましたw)

足で弄んだあとは、尺八にて百目鬼を堪能する矢代。
百目鬼も、そんな矢代の髪を撫でるように優しく触れており、
今までの尺八から一歩進んだエロさを含んできているのが分かります。
3話で勇気出して良かったね、百目鬼ぃ〜(*´ー`) フッ

さて、4話での考察は「矢代」と「百目鬼」に分けて考察してみました。
4話とひとくくりにまとめて考察するよりも、一人一人の感情や行動を考えていった方が、実はわかりやすいのかも知れないと思いました。つーか、それほど「囀る」って1キャラが濃ゆいってことだと思うんですよね。。

4話での矢代

私の考察では、矢代という人物は「愛を欲するくせに、愛されるのが怖い」というトラウマを抱えた人なので、基本的に「好意」を感じた瞬間、無意識のうちに防衛本能が発動する人だと考えています。
4話では、そんな矢代が何度か出現していると睨んでいます。

てことで、矢代の悪戯心が冒頭から炸裂しております。
この矢代の百目鬼イジリ(コスプレとか、尺八とか)は、「思春期の男の子が好きな女の子にしてしまう意地悪」に近い感覚で私は見ています。恋をしたことのない子供に初めて湧き上がってくる感情。もやもやするような、焦ったいような、こそばゆいような。その何とも言えない感情の扱い方がわからず、意地悪に転じてしまうという、あれですね。
矢代は大人なので、悪戯のレベルがエグすぎることは拭えませんが、やっていること自体は思春期のそれではないのかなぁと。矢代ってまともな恋愛経験が無いっすからね。。。

警官コスプレでの尺八プレイに、逮捕容疑の設定を持たせたがる矢代。
公務執行妨害、淫行罪…案が浮かび、
「強制わいせつ罪」としたときに、元警官の百目鬼は「それはちがう」と答えます。
理由は「されてる側が嫌じゃなきゃ成立しませんから」。
つまり、百目鬼はフニャチンのくせに、矢代にシャクられることが嫌いではなく、
むしろ好ましくさえ思っているということになる。(髪も触らせてもらえるしね)
それを聞いた矢代は途端に不機嫌になり、尺八をやめてしまいます。

……この矢代の感情って、激ムズっすねー(-ω-;)
好意を持つ相手から「嫌じゃ無い」と言われてんのに怒り出すってナニ?
て最初は困惑しましたw
そこで冒頭に申し上げた「矢代という人物考察」が生きてまいります。

矢代は母親から育児放棄を受けており、愛情に対しての免疫が極めて薄いと考えられますよね。そのため、人から愛されるという行為そのものが、彼にとっては未知の恐怖となるはずです。
また、愛情不足で育った人の中には、その辛い過去を心の奥底に閉じ込める作業を行うといいます。
でも、どんなに奥に閉じ込めたとしても、その感情って自分の中に存在はしているんですよね。
苦しいから閉じ込めたはずの感情。矢代でいうと「愛情」に関係する事柄を察知すると、その感情が無意識の内に防衛本能につながっている。
「シャクられるのが嫌じゃ無い」を「好意」と判断した脳により、考えるよりも先に防御本能が発動。
百目鬼との間に壁を作ったのだと思っています。


部下の七原が松原組のものに撃たれてしまい、影山医院で手当する現場では
矢代と影山がいつも通り、じゃれ合うように会話をしております。
その場にいる「付き人兼用心棒の百目鬼」が、警察の衣装を着たままなのが憎い演出だなと。
これで百目鬼が元警官だったことがみんなに知れ渡りました。
ここでは、影山・矢代・百目鬼の三人の間で、一瞬会話が途切れるのが何か意味ありげ。

影山→おそらく何も考えてない
矢代→誰もが警官姿の百目鬼を「似合う」と感じるほど違和感がなく、当然矢代もそう思っている。シャバに戻らせたいと思う矢代は、警察で働く百目鬼の姿を想像して、ちょっと複雑な気持ちになっている。
百目鬼→矢代が唯一惚れた人が、目の前にいる影山なのだと勘付き、心にモヤっとした気持ちが芽生えている。

という風なシーンかなと思いました。
さすがヨネダ先生。意味深な間を書くのが上手いです。
色々妄想が膨らみますww


自宅に百目鬼を連れ込み「スカしたお巡りさんは どんな面してセックスすんだろうな」と誘うような言葉をかけるものの、「教えらんねーか インポだもんな」と言い放ち、尺八タイムに入ります。

病院に行く前も、事務所でシャクっていましたが
その時は百目鬼から好意らしきものを感じたため、無意識に防御姿勢をとった矢代。
「お前のフニャチンなんかもうシャクらねぇ」
と、怒モードを発動してたにもかかわらず、舌の根も乾かぬ内にとは正にこのことw
しかも「インポだもんな」と、お前は勃たないもんなと、百目鬼を牽制しております。

そして、シャクりながら百目鬼と会話しますが、その最中にも牽制していると感じるシーンがあります。

警官時代に会っていたら、俺のことをどう思ったんだろうな、と尋ねる矢代に
「感じることは変わらないと思います」と返す百目鬼。
え、それって矢代を「綺麗」と感じているのはもはや「好み」だからと言っている?と思わず私がニヤけてしまいましたが、矢代は「美化しすぎだ。俺は四六時中シモのことしか考えてない」と返す矢代。

「自分に幻滅させようとしている発言」だと思うので、さりげなく牽制してるのかなと。
でも、俺のことをどう思うかを自ら聞き出し、怖くなって牽制するって…なんたる無慈悲っΣ(゚Д゚)
まぁ、でもしょうがないですね(なんたって矢代だから)。


私にとって、4話で一番難しいシーンとなるのがこちら、
百目鬼に「あの人が頭の大事な人なんですか?」と聞かれた時の矢代の反応です。

「側にいられんならなんでもするって言った割に 随分な口きくようになったな」

と、急に頭(カシラ)モード発動する矢代さん。
百目鬼と2人になると、途端に甘々モードの矢代さんのくせに、
急にムードぶち壊しますやんww

疑問なのは「側にいられんなら」というセリフです。
会話的には「随分な口きくようになったな」だけでもイイと思うんです。
まぁひょっとしたら、この言葉自体に意味はないのかもしれません。
ただ分かるのは、明らかに壁を張り出したんですよね。
「触れてほしく無い」とこに百目鬼が触れてしまったということなんでしょう。
そして、きつい言い方をして相手を批判し、この会話を終わらせたがっている。
つまり、自分にとって都合が悪くなる質問だったのだと。

仮に「そうだよ」と言った場合、
それは「影山のことが好き」ということになります。
嘘ではないけど、今となっては百目鬼のこともそれなりに好きなので都合が悪くなる。
なにしろ矢代は大事な人のことになると、自らを犠牲にすることを厭わない人です。
影山を好きとしったら、百目鬼も自分から離れていく可能性を考えてしまった。
誤解されたくない、シャバに戻らせもしたい、でも自分のとこに置いておきたい。
そんな矛盾した思いが、いつもなら的確な答えを出せる矢代の思考を止めてしまった。
とりあえず、今はこの状況から逃れることを選んだ結果、
相手を責めるような言葉を選び、それ以上を語らせないようにした。

こんなところなんでしょうか。
いづれにしても、矢代の中の百目鬼という存在が
たんなる部下を超えていることだけは確実だと感じました。

4話での百目鬼

百目鬼を考察する上では、「彼は脳筋だ」と思うと、なんとなく分かりやすくなりましたw(私的に)
後、「父親」という存在が大きく関係してきます。

実の父親が、義理の妹を犯している現場にでくわした百目鬼は、ショックと葵への罪悪感から性欲がなくなり、勃起不全にまでなりました。
そんな自分を「父親とは違う そう思えた」と安心する百目鬼(ノ_-)クスン 
悲しいですね。20代前半の若い男っていったら性欲ムンムンで、なんならちょっとしたことで勝手に勃っちゃうってどっかのYouTuberが言ってましたよ?(泣)。

もうこの時点で百目鬼は心身ともにズタボロ。
ひょっとしたら、生きていく意味なんて「家族への償い」くらいにしか考えてなかったかもしれませんよ(お金渡してたしね)。

でも、そんな中で出会ったのが矢代なんですよね。
葵との関係も矢代のおかげで改善され、
心にあった負荷も、凍っていた感情もちょっとずつ動き出す、そんな4話での百目鬼です。


百目鬼が、矢代のことを「妹と似た境遇」であるという認識でいたのが、少々びっくりしました。
確かに矢代は自分の過去を話してはいますが、
百目鬼がそのことをどう受け止めていたのかが、なんとなく不明だったので。
なんとなく、私が安心しちゃいましたw

そんな妹と似た境遇なのにも関わらず、まるで妹とは真逆で性に奔放な矢代。
百目鬼自身、矢代を理解するのが難しいのは分かりますw
シャクられ中、車の移動中と至る現場で矢代のことをよく見てますが、
もっと知りたくなるし、理解もしたいという思いが、そうさせてしまうのでしょう(目の保養にもなるしね)


4話では、2回ほど矢代を怒らせてしまうシーンがありますが、
その2回ともシャクられている最中の話なんですよね。
2人っきりになると、矢代も甘々モード発動するので、
百目鬼も本音が出やすいのかもしれません。だからこそ怒られちゃうだけどね(無慈悲だな)。

そして、百目鬼はといえば2回とも怒られたことには反省せず
「じゃあもう髪に触れないですね」
「髪にも触れてない」
と、髪の毛のことばかり気にする始末。カシラの髪の毛好きすぎだなぁオイ!
と言うよりも先に「この脳筋めっ!!(゚Д゚#)」と突っ込まずにはいられませんでしたw

脳筋の人って「筋トレしたらプロテインを飲む」みたいな図式が出来上がっていて
「風邪?筋トレしたら治るよ!風邪薬?プロテイン飲めば平気っしょ!!筋肉最強っしょ!!」
みたいな、それ以外の考えが湧いてこないというか。

百目鬼の中でも「シャクられる=髪に触れられる」の図式が出来上がっており、
それが出来なくなってしまうと、途端に手持ち無沙汰になってしまう……みたいな、そんな筋肉バカ的なことになっちゃってんなぁ〜可愛い。というふうなイメージです。

ただ「シャクっている時に、カシラを怒らせると、髪が触れなくなる」
ということは覚えたかもしれないと思うと「この筋肉バカ、伸び代すごそうだな…」と今後の展開が楽しみな私がいます。


4話でのメインイベントは、矢代の大事な人が「影山」だと気がついたことでしょう。
脳筋にしては珍しく、ファインプレイです。
ちゃんと考えてよく見ているなと誉めざるを得ません。
そしてそのことを矢代に直接聞くことを選択したわけですが、ここで百目鬼にある変化が出てきます。

ベッドに横たわりながら、いつも通りシャクられる百目鬼。
しかしなぜか、もぞもぞと動いてしまい矢代に指摘されるシーン。
「すいません なんかおかしくて」

…なんかじゃなくて、ちょっと感度戻ってきちゃってるんちゃうん?(-▽-)

そしてシャクられ中、百目鬼の吐息が漏れている描写が描かれています(2コマありまっせ)。

…あらあら、吐息漏れちゃうくらい、興奮してきてるんちゃうん??( ̄ー ̄+

と、明らかに百目鬼の身体が反応してきてしまっている描写です。
おそらく、矢代も、百目鬼自身でさえもこれがなんなのか?とは気づかないほどの、些細な変化。
でも、百目鬼の中での矢代という存在の位置付けが、ここで明確になってきたなと感じた瞬間です。

また、このシーンでは「影山」の存在を確かめずにはいられないという、百目鬼の嫉妬ともとれるような気持ちの変化も当然ながらに重要でしょう。少しずつだけど、自分が抑えられなくなり始まっている。ってこれ、すでに恋じゃね??

4話まとめ

4話では、百目鬼の中で矢代という存在が大きくなっていったのが良く分かりました。

ただ、存在が大きくなってしまったことにより、端々に出てきてしまう「好意」の数々。
矢代からは「怒り」という形で牽制されることも多くなってしまう結果、ワンコ百目鬼が見れるので美味しいという個人的展開。でもですね、2人の甘々モードの方がやっぱり比重度高く大好きなので、百目鬼は矢代を怒らせないよう、学んで欲しいっす。
ま、唯一救いなのは、百目鬼はちょっと感情の動きが「鈍い」ということでしょうか?(脳筋だから)

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