囀る鳥は羽ばたかない 1巻2話(ネタバレ・感想)

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「囀る」は私にとって沼です。
一度読んだだけでは理解を深めることができず、
じっくり読み直すことで改めて気づくことが多いです。
いろんな方の感想や考察なども見たりして
「なんでこうなってるの?」
と謎だった部分にも光明が見えてきたわけです。

作者のヨネダコウ先生がインタビューでおっしゃっていたことには
読者側には「想像の余地」を残しているとのこと。
抽象的に表現するシーンなどもあるそうで
人によっての解釈が出てくるのはそういうことなんでしょうね。

てことで、これはあくまでも「今の、私の解釈」ということになります。

ではいってみましょう〜♪


自慢じゃないが
俺は俺のことが結構好きだ
俺という人間を
それなりに
受け入れている
よって人を羨んだことはない

ただの一度も

囀る鳥は羽ばたかない1巻より

という矢代のモノローグから始まる2話目。
(モノローグについては後ろで考察してますのでそちらもどうぞ)
1話目から続きの朝の模様。
矢代は先に目が覚めており、モノローグと同時に新聞の切り抜きを見ています。
百目鬼が起きる気配を感じとり、床に落ちている百目鬼のジャケットの内ポケへ切り抜きを戻す矢代。

矢代「とりあえず 朝食は でっかけど皮のついていないフニャフニャのウィンナーがいいな」
百目鬼「買ってきます」
矢代「俺が悪かった お前のチンポがしゃぶりたい」

と言って、立ちあがろうとする百目鬼を、寝転んだまま足を伸ばして止める矢代。
ここでのやりとり、もれなく好物っす。
矢代のお茶目な感じと、百目鬼の分かってるようで分かってない天然ぶりww
たぶん百目鬼は、本当にウィンナーの事を言っているんだと天然炸裂中。

とりあえず矢代が「ヤル」といったら、ヤルのがこの二人の関係。
当然始めますがな。
矢代は「だんだんこのフニャチン 愛着湧いてきたなー」と軽く冗談めいたことを言いますが、
当の百目鬼が矢代を見つめる目は憂い目線の本気モード。
そして、1話に引き続き、どうも矢代のサラサラ髪が気になるようだ。
「サラ・・」と矢代の前髪が動くのを見つめていたら、
シャクっている最中に

「ピクッ」

と反応を示す百目鬼のお玉ww

矢代もその反応に気づき(流石w)
「!(んー? タマ…?)」
なになに?タマが感じんの? てな感じでさらに攻め続ける。

その感も矢代の髪を見つめ続ける百目鬼は、再び「サラ・・」っと動く矢代の髪を見て、
髪の毛に触れたい衝動が湧き上がるも、我慢するに留める。こんな二人の朝(むしろ昼)の風景でした。


ページを捲ると、後ろから突かれて喘いでいる矢代が下からのアングル描写。
男のモノが矢代の穴に挿入されている様子も描かれており…え、エロい!!
え?つーか、朝からの流れでついに百目鬼といたしちゃったの(☆ω☆*)!?
と、ぬか喜びもしたのも束の間、組の事務所で刑事とのセックスが始まっているだけでした(おい)。

しかも、百目鬼によるセックス鑑賞会も同時実施されているという悪空間w

刑事と一緒にイッタ直後「…今日はもう出かけねぇから 七原んとこで仕事してろ」と言う矢代。

うーん、ただ百目鬼に見せたかっただけなのか
それとも、見られることで快感を感じているのかが謎なこのシーン(マゾだからね)。
いずれにしても、変態矢代発動中であることは代わりないのだけどw
ここに関しては自分なりの解釈を見つけたので後ろで考察しています
矢代ってやっぱり小難しく育っちゃってるよなぁな出来事でした(ノ_<)グッスン

矢代の言いつけ通り、七原と事務所の片付けをしてるっぽい百目鬼。
七原からは「3Pしたんだろ 正直に吐け」と追及されるも、「…は?」とだけ返す百目鬼。
七原は「ヤクザも会社と同じでホウ・レン・ソウが大事だ」と教えられる百目鬼は「(ほうれん草)買ってきますか?」とマジ返し。
ここでようやく朝のやりとり「フニャフニャウィンナー」を買ってきますと言ったのが本気だったのだと分かった次第w(いわゆる天丼って奴っすね)。

さて、七原のとの会話では
・頭がそこにいろと言った(百目鬼によるセックス鑑賞会のこと)
・インポであることを七原に告げた
・(……今日は、縛ってはいなかった)と七原の心の中の吹き出しで、今日も覗いていたことが分かった
・七原は矢代に対しての耐性があり、機会があれば一発お願いしたいと思っている(男でもイケるということではなく、矢代だからと思われる)
ということだった。

ここで大事なのは、七原の「一発お願いしたい」の一言から始まる内容が「囀る」の今後のポイントになってくる。

百目鬼「部下には手え出さないと言ってました」(嘘つけw)
七原「マジ惚れされたら困っからじゃねーの?」

この言葉を聞いて、百目鬼は七原に視線を向ける。
まだ、マジ惚れまでにはいかずとも、矢代のことが気になっているのは間違いない百目鬼。

七原「言うことやることおかしいけど 黙ってりゃ上品な面してっから 本気で目の色違う奴とかいたけどよ そういう奴は根こそぎ因縁つけて首切ってたからな」
七原「ただヤリてぇだけ(←矢代が)で 面倒臭えの嫌いなんだろ?」

百目鬼は昨晩(1巻1話)での矢代のセリフを思い出している。

「わかんだろ? 俺みてえな人間にまともなレンアイなんて出来るわけねぇ」

そして、七原が言った「本気で目の色違う奴」という部分が気になったようで、
矢代の髪の毛に触りたい衝動にかられた自分の左手を(目の…色)と思いながら見つめる百目鬼。

七原からの言葉を聞いて、自分なりに何かしら自覚しちゃってるんでしょうね、これ。
そして、本気になったら「クビ」になる=矢代の元には居られなくなるという恐怖心も沸いたのだと思います。…頑張れ、百目鬼ぃ!


その流れで、最近事務所の前に怪しい少年(ガキ)が座りついているらしく、毎回追い払わせているんだと七原。
2人がいる場所からもその存在が分かり、その少年を目にした瞬間、百目鬼は動揺を抑えつつも俺が行きます(追い払いに)と告げ、少年のもとへ。
後の七原が言うことでわかるが、百目鬼が行くと、いきなり抱きついて泣く少年を冷たく突き放していたとのこと。その後も少年は事務所前にずっと居座っているようだ。

その後、矢代がコンビニの男性店員を嫌がらせしに?かごいっぱいのコンドームを買いに行くとのこと。七原は「百目鬼を連れてってください」と言うが、矢代は「今日はつれてかねーって決めたんだよ俺は」とプンスコモード。

七原「あ…でもあいつ今日ちょっと…」
矢代「…あ?」
七原「(キゲンわりィなー)あっいや ちょっと様子がおかしくなっちなって…」
矢代「…あぁ!?」
七原「あれっすよ 多分…元彼?みてぇのに会っちまって様子が…」

(ここでの矢代の苛立ちについては、後ろで考察しておりますのでそちらをどうぞ)
百目鬼はさっきの少年(元彼?)に対し、動揺が激しい模様。

矢代も矢代で「元彼」発言に頭がこんがらがり
(もとかれ… モトカレ… 藻とカレー… 元…彼?)と頭をカタカタ言わして処理するというバグ矢代を拝ませてくれてます(最高)。

矢代も少年(元彼?)を目で確認し、七原に一言「七原ぁ お前視力いくつだ」。

七原「両目1.5っすけど」
矢代「今度 測り直してこいよ」
七原「?」

てことで、矢代の見分により「少年(元彼?)」では無いパターン出てきましたゾ(歓喜)。


外には雨が降り出しており、矢代は黒い傘をさしてコンビニへとコンドームを買いに向かいますw
少年(元彼?)は事務所から出てくる人が百目鬼ではないことを確認し、雨に打たれながら下を向き再び籠城状態。

ふと雨が止み、上を見上げると、ビニール傘を差し出している矢代。
震える手で傘をうけとる少年(元彼?)。

矢代「お嬢さん ヤクザがそんなに怖い?」

・・・
・・・
・・・
キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

「少年(元彼?)」疑惑から、一気に「少女(誰?)」にまで浮上!!
ビジュ的に、女路線もあるよなぁと思っていただけに、正直安堵いたしましたw

女性認定できたところで矢代は思います(これまた意外なご趣味で…)。
てかもう、百目鬼のこと気になりまくりやん、矢代はん!

矢代「…おじさんは百目鬼の上司なんだけど 部下の不貞にまでは責任持てなくてね 恨み言があるならもう一回連れてきてやろうか」

探りをかけているのかもしれないけど「元カノ」前提で話を進める矢代はん。

少女「……………そっ…そんなひとじゃ… …ありません…っ ……あ 兄は…っ」
矢代「………(……あ なんだ… なんだ なんだ いもうと… へー…そう)」

張り詰めた雰囲気を出していた矢代も、状況が変わり、いつもの饒舌を取り戻していく。

「兄はヤクザになるような人ではない」と言われれば
「ヤクザに向き不向きがあるとしたら、確実に向いてないなー 君のお兄ちゃんは」(←つい今し方、元カノの程で話ていた人とは思えないw)

「(ヤクザを)やめさせて下さい」と言われれば
「嫌だね」と一刀両断。容赦なし。

「どうして」と問われれば
「気に入っているからさ それにおじさん 人のお願い事きくのも 命令されるのもすこぶる嫌いでね」
と矢代。
少女とのやりとりに多少苛立ってきていると思われ、
タバコを地面に捨てる態度、
そして意地悪のようにコンドームを手渡すという悪意ある行動をとる矢代。
この時の苛立ちが、言葉通りの「お願い事をきくのも 命令されるのも嫌い」だからなのか、
はたまた、冒頭モノローグで「人を羨んだことがない」と言いつつも、どこかで羨ましさを感じている自分に苛立っているのか、まったく別の苛立ちなのかが読み取れない。
いずれにしても、苛立っていることだけは確かなようだ。

差し出したコンドームの箱を「…いや…っ」と言って叩き飛ばす少女。
すると、再度妹を追い返そうと社外に出てきた百目鬼の頭にヒットw

その様を見た矢代は、口をあんぐりと開けて(え、こんなことってあんの?)という面構え。
こういうちょっとしたほのぼの挟んでくるヨネダ先生、流石です( ̄▽ ̄)ニパ


事務所に戻った矢代と百目鬼。
妹を追い返した際、傘をささなかった百目鬼は雨に濡れていた。
矢代はソファーに寝っ転がったまま「もうちょっと近くにこいよ」と呼ぶと、
ぴっちり真横まできてひざまずく百目鬼(天然炸裂ぅ〜)。
「…ちかすぎだけど まーいいや」とし、起き上がって百目鬼の濡れた頭をタオルで吹き出す矢代。
いやいやぁ…スキンシップ取りすぎだし、甘やかしすぎだし、優しいし………こんなん惚れてまうでしょ、矢代ぉ〜(。-_-。)オマケニウツクシイシ

そして、コンドームが頭に当たった瞬間の百目鬼を思い出して、
思わず笑う矢代。

「プ くっく…ひっひゃ ひー」バンバンとソファーを叩きながら、相変わらず奇妙な笑い方をする矢代w
百目鬼はそんな矢代を憂いある目で見つめて何か思っていそう。
色んな矢代の表情が新鮮でもあるし、百目鬼もギャップ萌えを感じているのかな?

そんな百目鬼に気づいて「怒ったのか?」と確認する矢代。
百目鬼は相変わらず「じ…」っと見ているが、「……いえ…」とだけ返事する。
わかるよ、百目鬼ぃ…ころころと変わる矢代の表情って、なんか目が離せないのよね(。-_-。)ウンウン

ちなみに、これ以降も二人の会話は続くのだが、
矢代と百目鬼のイチャイチャシーンでは影トーンがほぼなく、普通にほのぼのとして見ていられるた。
だがこれ以降、百目鬼のオリジンを聞き出すシーンでは影トーンが多用されており
イチャイチャと同じ室内でのやり取りのはずが、入ってくる内容の濃さが違ってくることに気付かされ、演出がすごいなと思う次第です、はい。では、ここから影トーンの百目鬼オリジンに突入です。


ここでは矢代からの追及により、百目鬼が自分の過去を話し出すという貴重なシーン。

百目鬼と妹の葵は腹違いであり、百目鬼が10歳の頃に、施設から引き取ってきたのが5歳になる葵だった。百目鬼の両親は、女の子が欲しかったのだ。(1巻での百目鬼は25歳。葵は20歳)
葵が中学入るまでの7年間くらいの間は、兄妹の仲もよかったのだが、いつしか百目鬼に好意を抱くようになっていた葵。
そしてそれに気づいた百目鬼は、葵を避けるようになった。
その後、ある時からおかしくなり始めた葵。誰ともしゃべらず、笑うこともなくなった。
そんな葵を無視し続ける百目鬼。徹底しておりますな。

そんな百目鬼が警察官となり、家から出て寮に入ることに。
葵に「行かないで」と縋られた時が、久しぶりの会話となるくらいに
百目鬼は妹を無視し続けていたのだ…いやいや、ここまでくると不器用が服着てるだけなのではと疑いたくなるレベル。ただ、徹底していて好感度高し。

そして警官になって2年目、実家の近くを巡回中に家に寄った百目鬼は、
実の父親が葵に覆い被さっている現場に遭遇。
葵は、養父に犯されていたのだ。おそらく、百目鬼が「葵がおかしくなり始めた」と認識していた頃からその行為は続いていたのだろう。

虚な目で天井を見てされるがままだった葵が、百目鬼に気づき涙を溜めて震え出したのを見た瞬間、百目鬼は実父を叩きのめしていた。その時の記憶がないというほど、殴り倒したのだ。
そして、傷害で4年刑務所に入ることになった百目鬼。

「いっそ殺してやればよかったと何度も後悔しました」と八代に告げる。

「殺してりゃお前の罪悪感ごとあの世に持ってってくれたかもなァ 親父さん」と矢代。

この罪悪感とは、一緒に生活していた頃から行われていた実父による性虐待。
そもそも葵から好意を持たれたことをきっかけに無視してしまったとはいえ、
その残虐行為にすら気づくことができなかったということへの罪悪感なのでしょう。

ということで、百目鬼も闇を抱えて生きてきていた人物だったのでした。
しかし、人格を形成する上で家庭環境ってどこまで大事なんだろうね。。。って、同時進行で見ているヒロアカでも感じるくらいには、大事っすねマジ。


さて、矢代的には百目鬼が「警官だった」ということがひっかかり、ここに居ていいのかを百目鬼に問います。ま、ヤクザと警官・・・確かに良い関係ではないもんねー(-_-;)ムシデキン

そもそも百目鬼がヤクザになった経緯といえば「金が必要だったから」であり、普通の金融会社だと思って入ったら闇金で、親元はヤクザだったという、なんとも間抜け入社である。そして闇金では使い物にならないとの理由で、親会社である矢代の元(ヤクザの事務所)へ連れてこられてしまったのだ。

「初めて頭を見て 立ってるだけですごく綺麗で こんなに綺麗な男(ひと)がいる世界なら ヤクザもそう悪くないかと思いました」

百目鬼は闇金時代、矢代のことを見ており、そして一目惚れしていたのだ。
だから闇金会社から矢代の元への移動は、むしろ望むところだったのかもしれない。
だからといって百目鬼は決してホモではない。務所に入っていた時も誘いはあったというが、断っている。
矢代という男(ひと)にだけ感じる特別感。

「頭は俺が今まで生きてきた中で 会ったことも見たこともないような人ですから」

とし、これが理由では矢代の元にいてはダメかと問い返します。
金が必要で入った会社だったけれど、今となっては矢代のそばに居たいという理由に置き換わっているという、百目鬼の片思い(というより、今は憧れ?)が募っているようではありますねー。

そして矢代といえば、ここ(ヤクザ)に居る理由なんてどうでもよく、
それよりも(抜けるにはひと踏ん張りわな… ずぶずぶと まるで吸いつきのいい名器みたいなもんだ)と、心の中で案じている。これは「影山の側に居たかった」という自分自身の経験も重なっており、この時点でも百目鬼を本気でヤクザに迎え入れる気持ちではないことが分かり、この先の展開が気になってしまうってもんだ。


後日、矢代は事務所の窓から葵の姿を確認し、一人で降りていく。
先日もらった傘を返しにきたようで、黙って矢代に傘を突き返す葵に、
百目鬼と三人でデートしようと嘘をつき、葵を喫茶店に連れ出す。

「絵、上手いの?」

と、いきなり別次元の話を聞き出す矢代。
一瞬、葵も驚くが「兄から聞いた」と嘘をつく矢代に対し、少し警戒感が薄くなったようでお金のことを話始めた。
母親と暮らすアパートの郵便受けにお金が入っており、きっと兄がやったことだと。
そして、そのお金の入った封筒に事務所の住所があったので、百目鬼にそのお金を返すつもりで通っていたのだ。
(百目鬼は仮出所の際の身元引受人も友達にしており、家族には知らせていない。なのに事務所の封筒を使ってしまって場所が特定されてしまうという間抜けぶりww 間違いなく矢代は”やっぱあいつアホだな”と思ってはいるが、その悪態は”可愛い”の裏返しでしょう。)

ちなみに、百目鬼が務所に入るさい「妹のことは伏せていた」と語っているので、父親を暴行した罪になり「養女暴行」の件は母親には知られていない。葵の方でも「母には言えなかった」と言っているので、兄妹揃って百目鬼は実母を、葵は養母を守っている形にはなるが、だとしてら、この二人の心のケアはどうなるよ?と思わずにはいられない案件っすね…無理。

さらに葵は、百目鬼に好意を向けた頃頃から無視されてきたことを踏まえ「(兄は)私のことは嫌いだから…っ」という言葉を口にした後、矢代は唐突に自分も犯されていたことをあっけらかんと語り、

「君とは逆に セックスなしじゃ生きられない体になっちゃった!」

と、矢代自身の感情の拠り所はなんなのか?と目を疑うくらいに楽しそうな表情で葵につげている。
(ここは下記でも考察しているのでぜひご覧ください)

それを受け、愕然とする葵に対し「百目鬼が好き?」と聞く矢代。

葵は涙腺が崩壊し、次々と百目鬼への思いを口に出すが
血も繋がらない自分のせいで、兄が警官からヤクザまで成り下がってしまったこと
男として兄を好きになってしまったこと
そんな思いが葵を苦しめているようですね、これ。
この時点での葵の心情的には
「(葵自身)自分のことが嫌い」>「百目鬼への恋心」
くらいにはなってんのかなぁ。

そして矢代は葵の告白に学生時代の自分の姿を思い起こし
自分と同じ「矛盾」を彼女の中に感じとってしまったんだろうなぁ。
タバコの灰がこぼれ落ちるくらいには、感傷的になっている矢代。美しい描写に惚れ惚れ。

「悪いけど 俺は百目鬼をクビにはしないよ 本人が泣いて縋るなら考えないこともないけどね」

と、初対面では「嫌だね」ときっぱり言い切ったことからの変化。
百目鬼の優しさ、葵の中にある矛盾。それを知ってしまい、心が揺れ動いている矢代が見て取れます。
もともと、百目鬼をヤクザには縛り付けたくなさそうな矢代だったし、
血が繋がらないとは言え、思っていてくれる家族がいるということが、矢代にとってはどこか羨ましく
自分の手には余ることと衝動的に感じ取ったのかもしれない。


後日。事務所の窓から葵が居ることを確認した七原、百目鬼、矢代の三人。
百目鬼は「もう関係ない」と言うが、矢代は何かを思うように「俺が話してきてやろうか」と提案。
そして、向かう足を止めて百目鬼に「今度警官のコスプレしろよ。その格好のままシャクらせろ」と七原の居る前で言う矢代。

「下のモンには手を出さない」と言うのは、部下たち全員が共通認識として持っている。
なぜなら矢代という人は、本気の愛情を向けられると、嫌悪感が湧いてくる体質だからだ。なので、そういう関係になると問答無用でクビを切っている矢代。

ある種、百目鬼との間では頻繁(?)に行われている尺八行為を、七原たちは知らない(勘づいているかもしれない…つーか、七原覗き魔じゃんねぇw)。

それを公然として告げているということは「もう実際に次やることは無いんだろうな」と矢代の中では思ったからこその自虐だったのではと思う。

「にしても あの人にしては珍しく世話好きだな」と七原がポツリと言うセリフだけど、
やっぱ矢代って百目鬼を絶対特別視してるよねー感があって好きっすね。

百目鬼は矢代と葵のやり取りを、窓から見つめております。
案の定、葵を泣かして帰ってくる矢代w

百目鬼は深々と礼をするが、矢代は「渡してくれってさ」と言い、会社封筒に入ったままのお金を渡しながら一言。

「それとごめんな? うっかりバラしちまったよ 妹のせいでお兄ちゃんは現在インポに悩んでるって」

それを聞いた百目鬼は礼をした状態のまま目を見開いている。

「そしたらお前の妹 ガキみてえに泣きだし…」

それ以上の言葉を遮るように、矢代をエレベータのドアに押し付ける百目鬼。
いつもワンコのように矢代を見つめていた百目鬼とは別人のような形相で、矢代を睨みつけると、
矢代はゾクっと感じながら「そうやって怒るんだなあ お前」と、まさに七原の言う「言うことやることおかしい」人がここに君臨しておりますw

怒りをそのままに葵の元に走り出す百目鬼に、八代のモノローグイン。

「向けられた 激しい火花が 自分のせいだと思うだけで 興奮した」

くぅぅぅぅぅぅ〜〜〜っ!!
これこそ、これこそが矢代の真骨頂ですよ!…ですよ?………そうなのか!?(汗)
いや、でもそうなんでしょう。
何故って?

「はは…勃ってやがる」

と矢代が独白してますのでね( ̄ー ̄+

そして、この2話の最後は
必死で駆けつけてきた兄の上着の内ポケットを先ずは確認する葵。
その内ポケに入っていたのは、2話の冒頭で矢代が見ていた新聞記事であり、
記事の内容は「日本藝術新人賞」に最年少で受賞していた葵(当時19歳)の記事だったというお話。

矢代の変態性って、やっぱ本物かもしれないという喜びと
そうはいっても、かなり屈折しつつも優しさに溢れているなぁ〜ということに気づけた2話でした。

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冒頭のモノローグについて

矢代という人物は、自身の壮絶な体験から作り上げてきた「エゴ」によって自分を守っているようなお人であると私は考えている。

「自慢じゃないが」とか「結構好きだ」とか「人を羨んだことはない」とかって、
ようは、改めて自分の脳に言い聞かせている = エゴの上塗りをしているのではないかと思う。


自分を保つための上塗りが必要だったこのモノローグの注入。
考えられるのは、1話目で影山と久我が恋人になったこと。
そしてもう一つは、これから登場する百目鬼の妹「葵」が原因ではないかしら。
(この妹の件に関しては、だいぶ後の話で回収されたと思っている(6巻 第33話))

そう考えると、このモノローグの内容が
私的にはスッと落ちてくる感じっス。

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苛立つ矢代の心理(考察)

コンドームを買いに行く時の矢代が、なぜか苛立っている件について考察してみました。
感情の流れとしては「朝食(シャクる)→ セックス鑑賞会 → 百目鬼への苛立ち」です。

矢代が朝食に「百目鬼フニャフニャウィンナー」を食した際、
一瞬ではあるものの、金玉が「ピク」っと反応したんですよねー。

で、矢代的には「百目鬼の百目鬼は反応するのか」を確認する目的(?)で
事務所では百目鬼に刑事とのセックスをそこで見ているように指示したんだと思ってます。

矢代が刑事から突かれている時、矢代の目線は百目鬼の股間を確認しており、
刑事と二人で同時にイク時、イッタ直後に至るまで、終始百目鬼の股間だけを確認している矢代。

しかし、百目鬼の股間は無反応。


矢代は自分の目論見が外れたことで、なぜかプンスコモードに突入。
コンビニへ行くのに「百目鬼を連れてってください」と言う七原に、
矢代は「うるせえな 今日はあいつ連れてかねーって決めたんだよ俺は」と、困らせていますw

というのが、苛立った矢代についての考察でした。
ポイントは、すべて上に書いた通りですが、ピクっと反応したことから始まった
矢代の悪戯心的な?

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七原が語る矢代が全てだと思う

「言うことやることおかしいけど 黙ってりゃ上品な面してっから 本気で目の色違う奴とかいたけどよ そういう奴は根こそぎ因縁つけて首切ってたからな」

この「言うことやることおかしいけど」という部分、これは言い得て妙だと思う。
そうなの、正にそうなの。だからこっち(リアルに私)も振り回されちゃってんのよね。

矢代を見つめる百目鬼:感情の変化について

私は現在、とあるYouTuberの「男性心理」たるものを勉強させていただいているのだが
それを参考にすると、百目鬼が矢代を憂いある視線で見る正体とは、
ズバリ「矢代に癒されている」ということなのだなと思う。

男性とは、好意を持つ女性が動いているだけで、感情を見せてくれるだけで「可愛い」「愛おしい」という気持ちになるそうなのだ。顔を見つめるだけで、その人の魅力や美しさを改めて確認し、やっぱり可愛いな、綺麗だなと癒やされる。
女性が嬉しそうな時には「無邪気で可愛い」と思い、悲しそうな時ですら「儚くて可愛いな」と思う生き物なのだそうだ。

あれ、これって矢代に対する百目鬼のこと言ってね!?

と、確信しましたよ。
間違いない。百目鬼は矢代に癒されています(断言)。

「君とは逆に セックスなしじゃ生きられない体になっちゃった!」

どういう気持ちでこの言葉を発したかを考えてみたけれど、
葵に対する嫉妬心が発動し、ある種の「マウント」、もしくは「自分自身への強がり」なのではと思いました。

これはモノローグで語られていた「人を羨んだことはない」にかかってくるものかなぁーと。
1巻の巻末で入る「漂えど沈まず、されど 鳴きもせず」でわかることだけど
矢代の親は決して子供を助けてくれるような人ではなかったようだ。
矢代自身も、幼少期に義父からの性的虐待をうけてきたわけだが、実母からもネグレクト状態のため、自分を助けてくれる人、頼れる人がいなかった。いなかったからこそ、矢代は自分自身を守らなければ生きていけなかったわけだ。恐怖や痛みを快感に変えていく作業。本心を奥深くにまで押し込み、上辺だけを厚く厚く作り上げ込んできた矢代。歪んでしまったままの強さは、意外なこと(他人への嫉妬)で脆くも崩れ去りそうになるのかもしれない。

矢代と葵。どちらも性的虐待を受けたにも関わらず、自分には助けてくれる存在がいなかった。
気にかけてくれる人もいなかった。
一方葵は、百目鬼が助けてくれた。
葵は「(兄は)私のこと嫌いだから」と言っていたが、百目鬼が葵のことを嫌いではないことを矢代は感じていて、衝動的い嫉妬心が湧き上がって自分を制御できなくなったのでは?と考えました。

深掘りしすぎっすかね?

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